お知らせ

「地域連携の集い」で発表いたしました

2020年12月19日

2020/12/19(土)に京都府立医科大学付属病院と京都府医師会共催で行われました、「地域連携の集い」ー地域全体が集結する医療のためにー(WEB開催)に、演者の一人として参加し発表いたしました。

今回のシンポジウムテーマは「高齢化社会と共に歩む循環器診療」、発表したパネルディスカッション「高齢者の循環器における地域包括ケアについて」というテーマの中で、「心不全・心臓リハビリテーション(案内状はリハビリテーションでしたが実際は心臓リハビリテーションです)の話題」を、担当いたしました。

これまで世界で報告された数多くのエビデンスをもとに循環器学会他が作成した「急性・慢性心不全診療ガイドライン」では、左室駆出率EFの低下した心不全(HFrEF)やEFの保たれた心不全(HFpEF)にも心臓リハビリテーションは推奨されています。また、日本心不全学会作成の「高齢心不全患者の治療に関するステートメント」では、心臓リハビリテーションは高齢者心不全に対する基本的な治療法であると記されています。現在わが国にような超高齢社会における循環器診療としても、心不全やフレイルに対する外来心臓リハビリテーションは、各学会の方針としても必須の治療(必ず受けなければならない治療)と位置付けられています。

心不全の5年生存率は、がんの平均的な生存率とほぼ同等かそれよりも悪いといわれていますが、外来心臓リハビリテーションによる運動療法を含む疾病管理を継続して行った人は、行わなかった人よりも、生命予後が改善することがわかっています。心不全の外来患者さんの数は入院の3倍になると考えられ、再入院を防ぎQOL改善や生命予後改善のためには、外来心臓リハビリテーションは地域包括ケアとしても必要な診療ですが、実はほとんどの心不全患者さんは、外来心臓リハビリテーションを受けておられないこともわかっています。また、心不全は無症候性の時から疾病管理を確実に行うことが、心不全入院や増悪を防ぐことにつながります。

心不全治療は地域全体で診ていく必要があります。その中で当院では保険適応のある通院可能な心不全患者さんに、必須の治療である外来心臓リハビリテーションを提供しています。まだこの治療を受けられていない方は、是非ご相談ください。

一覧に戻る